データベースのリモート保守サービス「Cat’s A.i」でDBA不在の基幹システム運用を実現

三井倉庫エクスプレス株式会社は、国際航空貨物を得意とするフォワーダー(貨物利用運送事業者)として、お客様本位の視点から最適な輸送を実現していくサービスを提供している。また、海外引越、ペット、化学品などの危険品、冷凍輸送、国際イベントなど、専門性が必要な国際物流もさらに強化することで、ますます細分化していく顧客ニーズに隈なく対応していく構えだ。これを支える三井倉庫エクスプレスの基幹システムでは、システムやデータの重要度が日増しに高くなっていることから、止まらないサービスを目指し、アイ・ティ・プロデュースが提供する、データベースリモート保守サービス「Cat’s A.i(キャッツアイ)」を導入。DBA不在の基幹システム運用を実現させた。

コーポレート本部 総務部 システム課 マネージャー
飛田 高志氏

三井倉庫エクスプレス株式会社

本社〒105-0003 東京都港区西新橋三丁目20-1
設立1969年10月3日
資本金4億円(授権資本 8億円)(株主 三井倉庫 株式会社, トヨタ自動車 株式会社)
従業員従業員:205名(2011年9月1日現在)
売上高125億66百万円(2011年3月実績)
業務内容
  1. 国際航空輸送協会(IATA)の公認貨物代理店
  2. 利用運送事業(国際航空・自動車・外航海運)
  3. 航空貨物通関業(東京税関・大阪税関)
  4. 海上貨物通関業(東京税関)
  5. 商品の輸出入・販売並びに斡旋業務
  6. 損害保険の代理業
  7. 自動車運送取扱事業
  8. 輸出貨物海上運送業(N.V.O.C.C)
  9. 前記に付帯し、または関連する一切の事業

三井倉庫エクスプレス株式会社(以下、MSE)は、国際物流会社として1969 年に設立された。「信頼」「スピード」「専門性」を信条に、国際物流の高機能化や国際分業の進展への対応など、常に時代の先を見据えた最適な企業活動を展開。社員のモチベーションを大切にしつつ、顧客とともに成長する企業を目指している。
具体的なビジネスモデルとしては国際物流が中核の会社で、企業から発注された機械や部品などの“物”の輸送をはじめ、通関作業から国内配送までの国際物流に関わる付帯業務、損害保険代理店業、国連が定める9 分類に指定された危険物質の輸送など、多岐にわたっている。
MSEでは、海外からのサービス利用を切っ掛けに、システムのグローバル化の取組を始め、24時間のシステム運用、障害等で止まらないシステム対策を始めた。

導入背景

MSEのビジネスモデルの一つに、航空輸出入に関する業務がある。サプライチェーンの発達により、製造業等は在庫を持たず、ジャストインタイムで必要な部材が届くように、グローバルに部品を調達するようになってきた。この一連の流れを管理するシステムに、24時間の対応が必要になった。
コーポレート本部 総務部 システム課 マネージャーである飛田高志氏は導入に至る背景を次のように語る。「システムのトラブル等で、荷物をジャストインタイムで運べないとなると、責任問題となる。如何に、システムトラブルを無くすことが出来るかが、当時の課題だった」
しかし、システムを増強する為には沢山の予算を投入しても一定割合以上の効果は期待出来ないのも解っていた。
そこで、方針を変更し「もし、障害が起きても、最短で復旧出来るような体制を作ればよい」と考えを変えたのであった。
とは言え、情報システムを管理するメンバーも限られている。その当時Oracleを操作出来るのは、飛田氏だけであった。さすがに、24時間不眠不休でシステムのメンテナンスを行うのは避けたい。Oracleに精通したエンジニアを雇用する事も考えたが、費用対効果を考えると、二の足を踏んだのであった。
そこで、その当時取引のある、色々なベンダーに相談したところ、アイ・ティ・プロデュース社のデータベースリモート保守サービス「Cat’s A.i(キャッツアイ)」を紹介され、導入を決定したのであった。データベースリモート保守サービス「Cat’s A.i(キャッツアイ)」であれば、Oracleに精通したエンジニアが、障害が発生しても、24時間対応してくれるし、データベース管理者業務も代行してくれる。定期的な運用状況を示すレポートも魅力的であった。
データベースの障害対応ともなると、経験が重要になる事も解っている。
実を言うと、その当時、あるアプリケーションベンダーからも、保守サービスの提案があったが、その開発会社はOracleの経験が十分ではなかった。
一方、 「Cat’s A.i(キャッツアイ)」サービスでリモート保守を担当する技術者は何れも、10年以上のキャリアを持つベテラン揃いだった。この点も、導入を決定する一つの要因となった。

Cat's A.i適用例(MSE社の場合)

システム概要

MSEのシステムにおいては、基幹業務で使用される、Oracleデータベースの種類は大きく3種類に分類される。Oracle8iで運用されている「国際物流のオペレーション」を管理するシステムのデータベース、Oracle10gで運用されている「管理会計システム」のデータベース、「航空輸出入に関するシステム」のデータベースである。特に、 「航空輸出入に関するシステム」のデータベースは、24時間対応が要求される。障害により、荷物を飛行機に乗せる事が出来ない等は、絶対にあってはならない事である。

導入効果

データベースリモート保守サービス「Cat’s A.i(キャッツアイ)」の導入効果を飛田氏は次のように語る。「導入前は頻繁に障害が発生していたが、導入してから、1年半。今では、障害も殆ど無くなり、安定して稼働している。まさに、優秀なデータベース管理者が、一緒にシステム運用に取り組んでもらっている思いだ。大変心強く思っている。」導入前を振り返ると、「何か障害が発生し対応しても、すぐに次の障害が発生し抜本的な対策が打てぬまま、負のサイクルに陥っていた。」 Cat’s A.i(キャッツアイ)導入後は、障害が起きてもリモートより、アイ・ティ・プロデュース社のデータベース管理者が対応してくれ、その都度、原因の調査、解決手段等アドバイスがもらえる。現在では、すっかり安定し、完全に負のサイクルから抜け出し、導入効果は絶大だった。
但し、現在のような、安定稼働まで持って行くには、それなりの苦労があった事も忘れていない。
「Cat’s A.i(キャッツアイ)」を導入した当初このようなことがあった。MSEで用意した監視サービス(※1)より、ディスクの領域不足の警告が発生。直ぐに、アイ・ティ・プロデュースのデータベース管理者がリモート保守サービスを開始し状況を確認した処、システムは深刻な状況に陥っている事が判明。直ぐに処置を開始し、難を逃れた。あと、30分程対応が遅ければ、システムの停止となる局面だった。
「Cat’s A.i(キャッツアイ)」が無ければ、自社のサービスも停止していたかもしれない。また、オープン環境でシステムを導入した場合の問題点と、
「Cat’s A.i(キャッツアイ)」の効果を次のように語る。
「オープン環境の場合、ソフトウエアの選択肢は広がるが、各ベンダーの守備範囲が明確になるので、自社で対応しなければいけない部分が出てくる。まさに、 「Cat’s A.i(キャッツアイ)」は、この自社対応の部分の役割も期待でき、結果は予想以上だった。」

今後の展望

今後の計画について飛田氏は、次のように語る。「今後2013年を目途に、国際物流のオペレーション管理システム
を一新し、Oracle10gのデータベースで、データを管理していきたい。」
また、アィ・ティ・プロデュース社には、「現在実施して頂いている定期報告に加え、データベースの稼働状況を分析して頂き、さらなるアドバイスを期待している。それは、今後、2013年に一新する、国際物流のオペレーション管理システムを運用する為の重要な基礎データとなるだろう。」当社も、新たに、定期的にデータベース稼働状況を分析し、MSEのシステム安定稼働に向けて、アドバイスを続けて行くつもりである。
さらに、飛田氏は、 「Cat’s A.i(キャッツアイ)」に今後期待している事として、次のように語る。「是非、今後は保守範囲の拡大を検討して頂きたい。データベースは勿論だが、他のミドルウエア等のリモート保守サービスも「Cat’s A.i(キャッツアイ)」サービスの一環として対応を検討して頂きたい。」
データベースリモート保守サービス「Cat’s A.i(キャッツアイ)」は、お客様の運用負荷を軽減し、システムを安定稼働に導くサービスである。

※1) Cat’s A.i(キャッツアイ)のサービスには、データベースの監視も含まれていますが、本事例では、お客様が用意した監視サービスを使用しています。 Cat’s A.i適用例(MSE社の場合)